世界36カ国中の「Better Life Index」からわかる日本人の「幸せ度」とFPの役割

経済協力機構(OECD)が国民生活の幸福度を評価した「より良い暮らし指標(ベター・ライフ・インデックス)」の最新版を公表しています。

この指標はOECDの創立50周年を記念して、伝統的なGDP指標の他に、幸福と進歩を計測することを目的に創設され、2011年から今年で3回目の公表になります。指標は、暮らしの11の分野(住宅、収入、雇用、共同 体、教育、環境、ガバナンス、医療、生活の満足度、安全、ワークライフバランス)について36カ国間の比較を可能にするもので、各分野にそれぞれ比重が置かれています。

評価項目のうち、日本は、住居・生活満足度・ワークライフバランスの点数が低かったので、OECD加盟国にブラジルとロシアを加えた36カ国中、日本の総合的な幸福度は昨年と同じ21位です。(2011年は19位)

トップはオーストラリアで3年連続、スウェーデン、カナダが続いています。以下、日本の評価の内訳をみてみますが、お客様と接する際や、年代が違う方と接する際の参考になるのではないかと思います。

●所得は平均以上だが、格差が大きい
日本の平均年間家計所得は24,147米ドルでOECDの平均の23,047米ドルを上回っていますが、富裕層と貧困層の所得格差が大きく人口の上位20%の所得は下位20%の所得の6倍を超えています。
前回調査は5倍でしたので、所得格差が拡大していることになりました。

●雇用面から、仕事と家庭の両立が難しいことが顕著に
日本の15~64歳人口の有給就業率は70%でOECDの平均66%を上回っています。男性の有給就業率が80%であるのに対し女性は60%で仕事と家庭生活の両立の難しさが数字にあらわれています。

●教育面は、男女差が大きい
学習到達度調査によると、日本の生徒の読解力・数学的応用力・科学的応用力の総合点は平均529点で、OECDの平均497点を上回っています。生徒の技能面では、OECDの中で最も強い国のひとつになっています。
ただ男女差が大きく女子の成績が男子の成績より平均で14点高く、OECDの男女差平均9点を上回っています。
世界的に女子のほうが点数が高いようですね。

●健康と環境面は、大気や水質に満足
日本人の平均寿命は約83歳でOECDの平均80歳を3歳上回っています。また大気中の汚染物質の濃度もOECDの平均より低く、水質も良好で国民の86%が満足していると回答しています。

●市民参加意識面は、投票率の低さ・政治への関心の低さが問題
市民参加意識は中程度で困ったときに頼れる人がいると考えている国民の比率は90%です。
ただ投票率は近年の何回かの選挙で見ると69%でOECDの平均72%を下回っています。
政治に無関心の層が増えていることの表れでしょうか?

●生活満足度
国民の87%が平均的な1日において否定的な経験(苦痛・心配・悲しみ・退屈など)よりも肯定的な経験(安心感・達成感・喜びなど)を感じることの方が多いと答え、OECDの平均80%を上回っています。
前回の調査では生活満足度は70%でOECDの平均を下回っていましたので、少し改善されたようです。前年は東日本大震災の影響もあったと考えられます。

また「ワークライフバランス」の得点が低かったのは、週平均で50時間を超えて勤務する人の割合が31.7%と大きく、余暇や睡眠、食事に充てる時間が少なかったことが原因のようです。

<まとめ>
日本は先進国として他国と比較して豊かと言われていますが、OECDの加盟国の中ではなんと3年連続で平均以下ということに意外な印象をもたれる方も多いと思います。

「より良い暮らし指標(ベター・ライフ・インデックス)」が点数化される際に、客観的な指標と主観的な指標を合わせており、日本の場合は、主観的な指標の得点が低いことがその原因のようです。

物質面では満足できる状態であるのに、精神面で満足できない状態が強いのではないかと推測されます。

内訳にもあるように、所得格差の拡がり、女性の仕事と家庭の両立の難しさ。勤務時間の長さなどストレスを多く感じている現代人を反映しているようです。

現代社会では人と人の心のつながりが希薄になっていることもストレスが増える原因のひとつでしょう。

日本の状況は、数字で現れる部分以外に、メンタル的な要素、感情的な要素が日に日に強くなってくるのではないでしょうか。こんな時代なので、私たちは、様々な世帯や個人から相談を受ける際、表面的な数字などで判断することなく、相手の立場や価値観の合わせてどれだけ応対できるかが重要となっていると言えます。

FPは先生でも何でもありません。私たちはどれだけ寄り添ってお客様のことを理解し、かつサポートする気持ちで接することができるか、技術やノウハウ以外に心のこもった応対がますます大事になってきていると実感しています。

<ご参考>
OECD 東京センター よりよい暮らし指標
http://www.oecdbetterlifeindex.org/countries/japan/(原文)
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20130528bli2013_cntnotes_jpn_j.pdf

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